敷地に建築物を建築しようとするとき、その建築物の大きさを制限する建蔽率について解説します。(2020年12月)

建蔽率とは

建蔽率とは建築物の「建築面積」の「敷地面積」に対する割合のことで、原則として用途地域を基準に都市計画によって定められます(これを「指定建蔽率」といいます)。
例えば、建ぺい率が50%と指定された地域にある100㎡の敷地には、建築物の建築面積(概ね1階部分の床面積です)として50㎡まで建築できることになります。

  • 「建築面積」とは、建築物の外壁又はこれに代わる柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積を指しますが、軒・ひさし・バルコニーなどで、この中心線より1m以上突き出したところがあるときは、先端より1m後退した部分まで建築面積に算入されます。また地階で地盤面上1m以下にある部分は建築面積に算入されません。
  • 「敷地面積」とは、敷地の水平投影面積を指しますが、2項、3項又は5項の規定によって道路とみなされる線と道路との間の部分(いわゆる「セットバック部分」です)は算入できません。

敷地面積に対する建築面積のイメージ

建蔽率のイメージ

 

建蔽率の規制緩和と適用除外

敷地が以下の条件に該当する場合には、都市計画または建築基準法で定められた建蔽率が緩和または適用除外となります

建蔽率の限度が80%とされている地域外で、以下のいずれかに該当
  1. 防火地域内にある耐火建築物等
  2. 準防火地域内にある耐火建築物等もしくは準耐火建築物等
※「等」とは、耐火建築物又は準耐火建築物と同等以上の延焼防止性能を有する一定の建築物を含むことを指します。
+10% 両方を満たす+20%
街区の角地にある敷地、又はこれに準ずる敷地で特定行政庁が指定するもの +10%
建蔽率の限度が80%とされている地域内で、かつ、防火地域内にある耐火建築物等 適用除外(100%)
隣地側に壁面線の指定等がある建築物で、特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可したもの 許可の範囲内で緩和

 

敷地が制限の異なる地域にわたる場合

建築物の敷地が2つ以上の建蔽率の異なる用途地域等にわたる場合、各地域等に属する部分の面積の割合(これを「加重平均」といいます)によって算出された建蔽率が最高限度となります。

Case Study;建蔽率の計算

建築物の敷地が近隣商業地域(指定建蔽率:80%)と第一種住居地域(指定建蔽率:60%)にわたる場合で、耐火建築物を建築しようとしたとき、敷地全体に適用される建蔽率の上限は?

 

建蔽率の計算

(1)それぞれの地域で適用される建蔽率を計算します。

  • 近隣商業地域;指定建蔽率80%かつ防火地域内の耐火建築・・・100%(適用除外)
  • 第1種住居地域;角地緩和 + 防火地域内の耐火建築物・・・80%(+20%)

※建築物が防火地域と準防火地域にわたる場合、原則として建築物の全部について防火地域(厳しい方)の規制を受けます。

(2)敷地全体に適用される建蔽率の上限を計算します。

100% × 300㎡/1000㎡ + 80% × 700㎡/1000㎡ = 86%

 

建蔽率の確認方法

建蔽率は、原則として用途地域を基準に都市計画によって定められるため、市町村役場の都市計画課などに備えつけられている用途地域図などで確認することができます。
ただし、個々の物件に適用される建蔽率は、建築基準法の規定により制限が緩和される場合などもあるため、市町村役場の建築指導課などで詳しく確認をしておく必要があります。

用途地域図のイメージ

用途地域図のイメージ