敷地に建築物を建築しようとするとき、その建築物の大きさを制限する容積率について解説します。(2020年12月)

容積率とは

「容積率」とは、建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合のことで、原則として用途地域を基準に都市計画によって定められます(これを「指定容積率」といいます)。
例えば、容積率が200%と指定された地域にある100㎡の敷地には、建築物の延べ面積(建築物の各階の床面積の合計です)として200㎡まで建築できることになります。

  • 「延べ面積」とは、建築物の各階の床面積の合計を指します。床面積とは、建築物の各階又はその一部で壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積です。
  • 「敷地面積」とは、敷地の水平投影面積を指しますが、2項、3項又は5項の規定によって道路とみなされる線と道路との間の部分(いわゆる「セットバック部分」です)は算入できません。

敷地面積に対する延べ面積のイメージ

容積率のイメージ

 

敷地の前面道路の幅員による制限

敷地が接する道路(前面道路)の幅員が12m未満の場合、その道路幅員に応じて都市計画等で定められた容積率と、前面道路幅員に以下の乗数をかけたものを比べて厳しい数値のほうが適用されます。
なお、前面道路が2以上あるときは、その幅員の最大のものを使用します。また、幅員4m未満の「2項道路」である場合、道路幅員を4mとして計算します。

地 域 前面道路幅員に対する乗数
第1種・第2種低層住居専用地域
田園住居地域
4/10
第1種・第2種中高層住居専用地域
第1種・第2種住居地域、準住居地域
4/10
(特定行政庁が指定する区域では6/10)
その他の用途地域、又は用途地域の指定のない区域 6/10
(特定行政庁が指定する区域では8/10)

 

前面道路が「特定道路」に接続している場合の特例

幅員6m以上12m未満の前面道路が特定道路(幅員15m以上の道路)に接続している敷地で、その特定道路から70mの範囲内にある場合、前面道路の幅員に特定道路までの延長距離に応じた数値を加算した上で、前面道路の幅員による制限を受けることになります。

前面道路に幅員加算ができる場合のイメージ

特定道路による容積率の特例

上図では、前面道路の幅員を「Wr+Wa」メートルとして、敷地の前面道路の幅員による制限の適用を受けます。

 

敷地が制限の異なる地域にわたる場合

建築物の敷地が2つ以上の容積率の異なる用途地域等にわたる場合、各地域等に属する部分の面積の割合(これを「加重平均」といいます)によって算出された容積率が最高限度となります。

Case Study;容積率の計算

近隣商業地域(指定容積率:400%)と第一種住居地域(指定容積率:150%)にわたる敷地に建築物を建築しようとしたとき、敷地全体に適用される容積率の上限は?

 

容積率の計算

(1)それぞれの地域で適用される容積率を計算します。

  • 近隣商業地域;6m × 6/10 = 360% < 400%・・・360%
  • 第1種住居地域;6m × 4/10 = 240% > 150%・・・150%

※ 前面道路が2つあるので、幅員の広い方(6m)を基準に計算します。

(2)敷地全体に適用される容積率の上限を計算します。

360% × 300㎡/1000㎡ + 150% × 700㎡/1000㎡ = 213%

 

容積率の特例

容積率にはさまざまな特例措置があります。その中から一部をご紹介します。

  1. 建築物の地階で、その天井が地盤面からの高さ1m以下にある住宅部分の面積は、その建物の住宅部分の床面積の1/3を限度として床面積に算入されません。
  2. マンションなどの共同住宅では、廊下や階段部分の面積が床面積に算入されません。
  3. 自動車や自転車の駐車専用部分は総床面積の1/5を限度に、防災用備蓄倉庫や蓄電池設置部分は総床面積の1/50を限度に、自家発電設備や貯水槽設置部分は総床面積の1/100を限度に、それぞれ床面積に算入されません。

 

容積率の確認方法

容積率は、原則として用途地域を基準に都市計画によって定められるため、市町村役場の都市計画課などに備えつけられている用途地域図などで確認することができます。
ただし、個々の物件に適用される容積率は、建築基準法の規定により制限等を受ける場合もあるため、市町村役場の建築指導課などで詳しく確認をしておく必要があります。

用途地域図のイメージ

用途地域図のイメージ