ARES、不動産私募ファンド市場規模は29.7兆円

不動産証券化協会(ARES)と三井住友トラスト基礎研究所は3月17日、「不動産私募ファンドに関する実態調査」を発表した。同調査は今回で35回目。それによると、私募リートを含む不動産私募ファンドの市場規模は、2022年12月末時点で29.7兆円だと推計した。昨年6月末の前回調査(26.5兆円)から約3.3兆円増加した。  

アフターコロナを見据えた日本経済の正常化期待と金利上昇が続く欧米と比較して安定して高いイールドギャップを維持していることを背景にグローバルファンドによる国内不動産投資が進んだとみている。  

エクイティ投資家の投資意欲は「変化がない」(54%)との回答が半数を占めている。ただ、海外機関投資家の意欲にやや陰りがあるとした。金融政策の修正に伴う投資方針の変化については半数が「影響なし」と回答した。  

不動産取引状況については、2022年下期に物件を取得したとの回答が62%を占めて前回調査の58%からわずかに拡大した。一方、売却を行ったとする回答は39%だった。また、国内外の投資家はともに住宅と物流で「増加」もしくは「やや増加」との回答が他のプロパティと比べて多い。  

今後1年以内に組成予定のファンドは「バリューアッド」「オポチュニティ」「開発」の回答割合が低下し、特に開発の低下が目立った。LTV(有利子負債比率)水準もわずかに上昇した。利回り確保の観点からLTVをやや高めているファンドも散見されるとした。

<出典:住宅新報>

2023年03月27日